がん免疫療法とは、ひとことで言うと「免疫の力でがんを治療する」方法のことです。
人間の体は約60兆個の細胞で出来ています。1つの受精卵が数え切れないほどの分裂を繰り返しながら、皮膚、血管、筋肉、内臓など、様々な組織の細胞へと分化します。こうした細胞の分裂・増殖が正常に行われているのは、DNAが正常に働いているからです。しかし、時にはDNAが突然変異を起こし、異常な細胞が生まれることがあります。これが、「がんのもと」です。
一方で、私たちの体の中には「免疫」があります。体の中で「がんのもと」が生まれること自体は、決して珍しいことではありません。健康な人であっても、体の中では毎日2,000〜3,000の「がんのもと」が生まれるといわれています。そこで重要な役割を果たすのが、体に備わった「免疫」仕組みです。免疫の仕組みによって「がんのもと」は死んでしまうため、体内に残らず、悪さをすることもありません。